古い質感の木材やモルタル・タイルなど経年変化を意識した、味わいのある素材を取り入れるのが特徴のアメリカンヴィンテージスタイル。家具やインテリアでコーディネートする方も多い人気のスタイルです。もし、これから新築やリノベーションをするなら、素材はもちろん照明やパーツといった細部にとことんこだわって「私だけのアメリカンヴィンテージスタイル」にチャレンジしてみては?

今回は、「ヴィンテージ家具が似合う家、新しい材料でも時を経たような味のある空間を演出したい」そんなオーナーの希望を実現した、どこか懐かしく、暖かみのあるお住まいをご紹介いたします。

ヴィンテージ家具の似合う、味のある空間に

ヴィンテージ感たっぷりのツヤ無しオーク

イームズデザインの家具やファイヤーキングといったアメリカン雑貨が好きなご主人が取り入れたインテリアは、緩やかな曲線が美しいFRP製のチェアに無骨なデザインが印象的な皮のチェア。そんな、バラエティー豊かなヴィンテージ家具が似合うよう、床材にはツヤ無しオークを採用しています。

スイッチに照明器具…、細部までこだわりがいっぱい

素材一つひとつにもオーナーのこだわりが。照明スイッチは100年続くアメリカの定番品をセレクト。どんなインテリアにもあわせやすく、スチール製のプレートに深い黒のスイッチが空間のアクセントになります。ペンダントライトは、ゴールドのソケットに電球を取り付け、ヴィンテージ感を演出。

取っ手やドアノブなどのパーツもビンテージ感のあるものをチョイス。細部へのこだわりが、空間の質をぐっと上げてくれます。

天板に足場材、キッチンにクラフト感を

リビング側から家電が見えないよう、収納棚の高さを工夫したキッチンスペース。カウンターや飾り棚・収納棚の天板に使用しているのは、なんと工事現場で実際に使用されていた足場材。「家づくりで培った思い出を大切にしたい」というオーナーの想いです。丁寧に加工し蘇った足場材とステンレスワークトップの質感を組み合わせました。

ゲストが集う、居心地のいいリビング

2日間で40人程を招くパーティを開いたこともあるというオーナー。「友人を招きたい」と希望したリビングは、32帖の大空間。TVボードや収納棚をあえて設けず、大人数を収容できるようにしました。そして、引戸を開ければ玄関とシームレスにつながります。木製サッシや天井の梁から柔らかな表情が伺え、ゲストを招きいれる温かい雰囲気に仕上がりました。

玄関も4.5帖の土間を設けているので大人数の来客でも安心。可愛らしい二脚の椅子はゲストを迎えるためのもの。この空間に寄り添ったデザインをと吟味したこだわりのウエルカムチェアです。

住まいをより自分たち好みに

レザークラフトが趣味のご主人は、キッチンの収納棚にお子様のいたずら防止用の皮ベルトを製作。飾り棚には奥様が10年以上続けている陶芸作品を並べたりと、趣味と住まいづくりの両方を楽しんでいます。新築の計画でしたが、あえてリノベーションの本を購入し、変化していく自分たちの暮らしに寄り添う住まいを日々模索中だそう。


いかがでしたでしょうか。

お気に入りのインテリアや雑貨を中心にした家づくりをお届けしました。アメリカンヴィンテージのようにスタイルが決まっていると、それを軸に空間や素材を考えやすく、自分たちの理想の住まいに近づきやすいかもしれません。

まずはスタイルを決める所から家づくりを始めてみてはいかがでしょうか。

(設計・施工 (株)平成建設  木造在来工法 2階建て)