お子様が生まれた事をきっかけに、土地探しから家づくりをはじめたO様ご夫婦。そこで見つけた土地は、25坪という限られた敷地で南側に住宅が建っているなど、不安に感じる要素がいくつかありました。しかしご夫婦は、東側に流れる川の存在に惹かれこの土地の購入に至ったそう。当初不安に感じていた部分も間取りとデザインで上手に解決。川沿いの理想的な生活を楽しまれています。今回は、そんなO様邸をひもといていきましょう。
川沿いという立地が特徴の住まい
「この敷地が川のほとりにあると知って一気に興味を持ちましたね。妻にも現地を確認してもらって購入を決めました。」とご主人。 元々安藤忠雄氏設計の “TIME’S” のような水際の建築に憧れがあったため、この土地の購入を決断されたそう。
川沿いの東側に窓を大きく開けることで、水際の景色を存分に堪能でき、光をしっかり室内に取り込んでいます。南側に隣家が建っていますが、十分な明るさを確保できています。
川沿いに設けたウッドデッキでご家族で気分転換も。タイミングが良いとアイガモの散歩風景を眺めることができます。この風景が奥様の一番のお気に入りだといいます。
限られた敷地内で広々と暮らす工夫
25坪という限られた空間を有効活用するため、床面を互い違いに配置する”スキップフロア”を採用しました。これにより、実際の面積以上に広々と空間を使うことができます。スキップフロアの構造上様々な部屋から光が届くため、どの部屋も暗い印象がありません。また全体的にコンパクトなため、キッチン、トイレ、寝室等を数歩で移動できてしまうところが便利で暮らしやすいといいます。
広さを抑えながらも快適さを叶えたキッチン
キッチンは、kitchenhouse社のカスタムキッチンを採用。素材の切り替え部分に生じてしまう繋ぎ目が全くないのが特徴で、細部の美しさに惹かれたそうです。天板は掃除が容易なメラミン素材に、シンクとキッチンパネルは傷や摩耗、汚れに強いステンレス。マグネットがつけられるタイプのステンレスを使用しているので、レシピやペーパーホルダーをつけられとっても便利。
リビングダイニングの広さを保つためにキッチンはコンパクトに。カップボードの奥行きを通常より狭め、通路幅を確保しています。カップボードを狭くしたことにより、大きく機能的な電子レンジを置かずに、カスタムキッチンに憧れのレンジ機能付ガスオーブンを内蔵しました。「ガスオーブンでパンやケーキなどを娘と一緒に作るのが楽しみです。先日、アンパンマンのパンを作った時は娘も大喜びでした。」と奥様。コンパクトなキッチンでも存分に料理を楽しめる空間になりました。
室内のデザインもこだわり抜いて
壁をセルフペイント
リビングの壁は、ポーターズペイント※で塗装。300種以上ある基本色の中から、「IRISH ELK」というベージュ色をセレクトし、質感は目の粗い石英が含まれている「ストーンペイント」を採用しました。光の当たり方によって、さまざまな表情を見せてくれます。
「お気に入りの宿泊先がベージュでコーディネートされていて、自宅もそんな雰囲気にしたいと思っていました。」と奥様。ご自身でペイントを行うことで唯一無二の陰影を作り出せるほか、自ら家づくりに携わることができ、手伝ってくれた仲間との思い出づくりにもなったそう。落ち着いたベージュの壁色と床や柱の木質感が相まって、ぬくもりを感じる空間になりました。
※ポーターズペイントとは、カラーバリエーションが豊富な上、ざらざらした塗料やツヤのある塗料など質感も選ぶことができるインテリアペイントです。
赤みを帯びた落着きある床材
オーク、チークとご夫婦の好みが分かれてしまった床材は、ご夫婦ともに好みが一致したヤマザクラをLDKに採用。木肌がなめらかでしっとりとした質感が特徴で、サンプルの肌触りに夫婦ともに一目ぼれしました。また、二階には赤茶系のマホガニーを採用し、材種を変えつつもトーンを揃えています。お二人の好みが一致するものを見つけ出し、ご夫婦共にリラックスできる空間を作り上げています。
部屋に馴染んだ統一感ある小物たち
メインの照明に、ルイスポールセンの「PH 3 1/2-3」、キッチン横のライトはルイスポールセンの「VL38ウォール」を採用し、真鍮とホワイトで全体的な統一感を出しています。また、ドアノブや取っ手などの金具類も真鍮で統一しています。
スイッチはPanasonicの「SO-STYLE」を採用しました。正方形のマットな質感が特徴で、部屋に浮いたりせず馴染みやすいデザインになっています。
ご夫婦のこだわりがふんだんに取り入れられたこちらの素敵なお住まい。広々としたスキップフロアの空間で川のせせらぎと共に生活することで、お二人の快適な生活はもちろん、お子様ものびのびと成長できることでしょう。
(設計・施工 (株)平成建設 SE構法2階建て)
