何年も土地探しをしていたご夫婦。ある日ずっと希望していた場所で、ある物件の話がありました。行ってみるとそこには築33年の立派な平屋の数寄屋建築が建っていたのです。
しかし奥様のお好みは和風ではなく北欧テイスト。木のぬくもりが感じられて、シンプルだけどお洒落で・・・。
そんな理想を叶えるために、和のよい雰囲気は残しつつ、北欧テイストをプラスした大胆なリノベーションを実現。懐かしくも新しい、素敵な住まいに生まれ変わりました。
門をあけると物語がはじまる
重厚な門を抜けると、目の前に広がるのは庭とデッキ、そして数寄屋建築の建物。
まるで旅館のような佇まいです。
さて、この中に一体どのような北欧空間が広がっているのでしょうか。
格天井のLDKには北欧の名作照明や椅子、製作家具を合わせて
リビングは以前、小上がりの畳敷きに書院といった純和風の空間に壁付きのキッチンがありました。
不要な柱は取り除き、梁補強を施し、お施主様ご希望の広々としたワンフロアのLDKに生まれ変わっています。
格天井をそのまま残してオークで統一した空間に、北欧の名作照明ルイスポールセンのPH50やYチェアを合わせています。
ダイニングテーブルやテレビボード、ローテーブルなどは、すべてお部屋に合わせたオリジナルの大工製作家具。木のぬくもり溢れる空間となっています。
「オークで統一して本当によかったです。何にでも合わせやすいですし。あとオークの床は本当に気持ちが良くて、私は一年中裸足で過ごしています。」と奥様。
テレビボードは宙に浮くようなデザインで、背面に設えたエコカラットはリビングのアクセントになっています。
光沢のあるオーダーソファとクッションの生地は、イージークリーニング機能がついていてお手入れが簡単。クッションはリバーシブルで、その日の気分でアレンジすることもできるそう。
黒の爛漫の襖にヨーロピアンオークのスプーンカットの床
すべて和室だったこの家で、一か所だけ畳を残している客間は、黒の爛漫の襖が入ったことにより、がらりとモダンな雰囲気に変わっています。
畳廊下だった部分はヨーロピアンオークにスプーンカット加工をした床で絶妙な凸凹感が出されており、歩くと足裏に優しい感触が伝わります。
床の間には和のアートやドウダンツツジをクリアな花器に飾って、粋な空間に。
書院のある寝室にはヤコブソンランプを
リゾートホテルのスイートルームのような主寝室。ベッドの両サイドにはヤコブソン・ランプがあたたかな光を灯しています。その下にはウォールナットで製作されたミニテーブル。さらに、大きな窓が映えるバーチカルブラインドにより洗練されたモダンな雰囲気になりつつ、景色を気軽に楽しめる空間になっています。
四季の移ろいと共に飾る楽しみ
理想の北欧インテリアを活かしたお住まいが完成し、その生活を楽しまれているお施主様。
「和は和なんですけど、私の好きなテイストに上手にまとめてもらえたので、本当にこの住まいが気に入っています。お客様の反応もよくて私もウキウキしながら案内しています。実は床の間のお花の飾り方も勉強中なんですよ。」と奥様。以前和風が苦手だったというのが信じられないくらい、今では和の設えを飾ることを楽しんでいます。
(設計・施工 (株)平成建設 在来工法 平屋建)