東側にはアパート、西側には教育施設。登下校の時間には、にぎやかに行きかう子どもたちの声・・・。そんな場所にこの家は建っています。

潔く斜めに切り取られた白い壁の向こうには一体どのような空間が広がっているのでしょうか。想像力をかきたてられるこの住まいは、プライベートとパブリックをゆるやかに保ちながら、3つの庭と共にご家族が穏やかに暮らしています。

地域とつながる前庭

『土に近い生活』を望んでいたご夫婦の理想の住まいは平屋でした。さらに『家庭菜園をしたい』という要望から用意された前庭は、地域の人たちとのコミュニケーションの場としても活躍。「道行く人を眺めながら畑仕事をしたいと思っていました。」という奥様。ご近所づきあいの入口としてちょうどいい空間となっています。

住まいの中心となる中庭

白い壁のドアの内側は、中庭が広がります。在宅で洋裁の仕事をしている奥様は一日の大半をミシンが並ぶワークスペースで過ごします。少し疲れたら、中庭を眺めながらほっと一息。

ご主人は、家族が寝静まった後一人で晩酌をするときに、ダイニングから眺める中庭がお気に入りのよう。

光を取り込む光庭

家の一番南側に位置するのは、寝室、子供部屋、浴室、洗面脱衣室へと光を届ける『光庭』です。

ご夫婦の寝室と子供部屋は対面した位置関係にありますが、光庭を通して、お互いの気配をゆるやかに感じ取れるようになっています。

本当に好きなものに囲まれる暮らし

この家に並んでいるテーブルや椅子、照明や器などのインテリアはどれもこだわり、吟味されてこの家に迎え入れています。キッチンには手作りの味噌や梅干しが並び、玄関の脇には収穫後の乾燥を待つ唐辛子・・・その様子は、日々の暮らしの風景を彩ります。本当に好きなものを丁寧に選び暮らすことが、この3つの庭のある家の魅力を引き立てているようです。 (設計・施工 (株)平成建設 木造 平屋建)