空間の中に様々な段差を設けることで、より魅力的な間取りを実現できるスキップフロア。壁で空間を仕切らないため、家を実際よりも広く見せることができたり、風通しが良くなったりとメリットも多い。効果的にスキップフロアを採り入れることができれば、暮らしが豊かになること間違いなしだ。

スキップフロアを活用したフリースペース

階段室をスキップフロアとしたこちらの住まい。階段の6段目を中2階のように延長しフリースペースとした。階段下部もリビングから2段下げ、お子様のプレイルームとして活用している。秘密基地のような独特な空間は、お子様もお気に入り。

プレイルームには、作り付けの棚を設置し、散らかりがちなおもちゃの収納スペースになっている。この範囲で遊んでもらえれば、お片付けもラクラク。リビングよりも下がっているため、散らかっているおもちゃが目に入りにくく、ママも大助かり。窓があり、日差しが差し込むのも嬉しい工夫。さらに階段下に扉のついた収納も設けている。使用頻度の低いものはここに仕舞うのが得策だ。

立体的なつながりを生む

階段室の上部は気持ちの良い吹き抜け。リビングの天井高との対比により、想像以上の開放感が味わえる。階段室の大きな窓からは、天気が良いと青空や月が見えるのだとか。リビングに吹き抜けが欲しいと漠然と考えていた、お施主様。リビングの隅に吹き抜けを持ってくることで、室温調節を容易にし、さらにスキップフロアと組み合わせることで空間を個性的に彩り、暮らしを豊かにしている。

キッチンに立つと、プレイルームで遊ぶお子様の様子を見ながら調理が可能で、とても安心。キッチンからは、階段の途中にあるフリースペースにいる家族とも目線が合わせられ、会話も弾む。家族それぞれの居場所がありながらも、気配を感じて安心できるのは、スキップフロアのおかげだろう。

暮らしやすい工夫がたくさん

スキップフロア以外にも暮らしやすい工夫がたくさんある。キッチンからバスルームまで真っ直ぐな家事動線は(写真左)、最短距離で家事を完結でき、時短につながる。また、大勢で訪問しても余裕のある広々とした玄関(写真中央)は、シンプルながらも洗練された空間が来訪者を迎える。2階洋室に付けられた小窓(写真右)からは、階段室の吹き抜けを見下ろすことができ、1階と2階を緩やかにつないでいる。

(設計・施工 (株)平成建設  在来工法2階建て)