ewaluオーナー境 はづきさん(Hazuki Sakai)

幼少期を思い出せば、 自宅の庭には母親が育てた、鬼百合や、すずらんなど季節の花々が美しく咲いていたという。そしてそこに咲く花を選んで、摘んで、家に飾る。幼心にも、花屋さんで買うよりも、そんな花束のほうがずっと素敵なんじゃないかと思っていたというのが今回の登場人物。茅ケ崎市で人気の花屋、ewalu のオーナー、境はづきさんだ。(以降はづきさん)

忘れられない叔母からのブーケ

「よく発表会とかで、見に来てくれたお客様が、花束を渡すシーンありますよね?私が幼稚園の頃の思い出なのですが、お遊戯会の時、他の子はとてもかわいらしいピンクのお花のブーケをもらっていました。私の叔母がくれたブーケは、アネモネなどの真紫とか赤紫とか、独特なカラーリングのブーケを私に持ってきてくれたんですね。私はそれをとても気に入って。幼いながらに、他の子と違うブーケにかっこいいなと、とても誇らしかったんです。」

実は「はづき」という名前をつけてくれた、名付け親は叔母だそう。「この辺の優しい感じの花選びは母の影響、この辺の、一般的にあまり見かけないようなかんじの花選びは、叔母の影響があると思います」

夢は、「花屋か、喫茶店のマスター」

小学校の卒業文集で書いた夢は、「花屋さんか喫茶店のマスター」と書いていたそうで、実家が自営業だったこと、先に紹介した個性的な叔母の存在、そんな環境で育ったせいか当時から、独立心が他の子より強かったと思うとはづきさん。「いつか自分のお店を持つと、小さな頃から考えていました。むしろ他の夢って思いつかなかったかも・・・。」

そして数年が経ち、大学卒業後の3年間、花屋でアルバイトをしたという。 はじまりは、高校生だったはづきさんが一目ぼれした花屋。「ここで働きたい」とずっと思っていたそうで、大学卒業後、電話で相談。スタッフは足りていると一度は断られたものの、「月一回でもいいから」という熱意を伝えたところ、バイトとして雇ってもらうことができたそう。いつかは自分の店をと思っていたというはづきさんは、その後も、他の花屋や、飲食店などで経験を積んでいく。

「かわいい」と思うのものに囲まれる幸せ

ewaluの店内には、はづきさんが「かわいい」と思ったものがたくさん並んでいる。見たことのないような花や、花器。アースカラーに塗られた壁や、レトロなチェスト・・・。「花にしろ、雑貨にしろ、自分がかわいいと思えるものに、常に囲まれているっていうのが私の特権だと思います。自分のお店だから、自分がかわいいと思えるものを置きたいですよね。」

一般的に花屋と呼ばれるお店には、スタンダードな花、例えば「バラ」や「菊」、「チューリップ」や「カスミソウ」は、常時そろっているのが基本だそう。そしてそれを求めて花屋に来るお客様が多いことも事実なのだとか。

ewaluは基本、注文を受けてから、市場に仕入れに行くそうで、訪れるたびに店頭には種類の違う花々が並ぶ。「今日はいつもより、色鮮やかな方かも」とはづきさん。昨日と今日で、陳列してある花がまるっきり違うことも多いそう。そして陳列の方法にも気を配っているそうで、例えば花を生ける花瓶はできるだけ家にありそうな瓶を使うことで、家に飾った様子をイメージしやすくしているのだとか。

大切なのは「ewalu」らしさ

「どこの花屋にあるような花を、同じようにewaluに置いたら、別にewaluじゃなくてもよくなってしまいますよね。茅ケ崎は個性が強い人が多くいるような街です。そんな街で、私のオリジナリティに共感してもらえる人は多いかもしれません。ewaluを選んで来てくれるんだから、やっぱりewaluらしい花選びで答えたいですね。」

オープンしたての頃は、知名度も低く、お客様も少なかったというewalu。今となっては信じられないが、当時から常連のお客様は常に気にかけてくれたという。「年末ぎりぎりまで働いて食べるものないでしょとおせちをもってきてくれたり、今日のおやつはこれよ!ともってきてくれたり、それで生き延びていました。(笑)日本一貢物をもらっているんじゃないかと・・・。」

<SHOP>

◇ewalu

神奈川県茅ケ崎市東海岸2-3-36

TEL.0467-85-8741

◇ewalu flower 2nd

神奈川県茅ケ崎市松ヶ丘2-10-6

マックスバリュエクスプレス茅ケ崎浜須賀店

◇8CAFE+FLOWER ewalu

神奈川県茅ケ崎市茅ヶ崎1-11-1市民文化会館2F