極小の器全体にぎっしりと描かれた細密な文様。明治時代に国内外で人気を博した、藪明山の薩摩焼色絵陶器だ。藪明山とは、明治期に活動した藪明山(1853年~1934年)が絵付けした薩摩焼であり、輸出陶磁品として製作された細密な絵付けが施された逸品である。繊細な絵付けが映える白い素地は薩摩焼の中でも観賞用として愛された白薩摩。描かれているのは、美しい琵琶湖の風景と季節の行事を楽しむ人々の暮らしぶり。高純度の金を立体的に施す金襴手の手法を用いた豪華絢爛な作品は、コレクターの間では「幻」と呼ばれる。
実際にみたら、その小ぶりな陶磁器に施された絵付けの美しさに心奪われることだろう。
YABUMEIZAN
龍琵琶湖風景図茶器
「受け継がれるものたち」展
平成記念美術館 ギャラリー(平成建設 世田谷支店併設)
会期:~2018年1月16日
開館時間10:00~18:00
※このイベントは終了しました。
休館日:日曜日/観覧無料
住所:東京都世田谷区桜3-25-4
暮らしと、アートと。藪明山の魅力